一句佳日 

一日一句、シンプルに「俳句」を鑑賞して頂くだけのブログです。
その日の自作の一句と、「お気に入りの句」を併載しています。

写真は一部以外、Webから拝借しています。

日焼子


日焼子の宝となりし星の砂
 
子供の日焼けはエネルギーの象徴のようなもの。夏休みは、
プールだ、川だ、蝉捕りだとこんがり小麦色を通り超して
真っ黒な肌になったものだ。日焼けしているところとして
いない場所の肌の色が全然違い、しばらくすると肌の皮が
めくれてくる・・ 。そんな日焼けの跡がいつまでも残って
いることが誇らしかった。
 
日焼けしてつくづく腕のうらおもて  原田タキ子
 

溽暑


東京の右にひしやげる溽暑かな
 
季語は「溽暑(じょくしょ)」、傍題に「蒸暑し」。
蒸し暑くて、高温多湿の不快感は耐え難いものがある。
日本特有の夏の気候である。「ひしゃげ(拉げ)るの措辞に、
発想の大胆さと爽快さを見た。『右に』に意味を感じて
しまった。」 揚句にいただいた句評である。 
もちろん、右にひしゃげるには意味がある・・


肉塊に刻印にじむ溽暑かな  田辺レイ


しまひ花火


来し道やしまひ花火の音のして

亡くなった金子兜太さんが「辞世の句」について書いた文が
ある。「誰でも生きている途中で死を見、そして見詰める
ときがある。そんなとき、自分のいまの暮らしを見直したり、
生涯をふり返ったり、自分の死の有り態を想像したり、
あるいは自分といわず、死そのものを見詰めている今の心境を
述べようとしたりして俳句をつくる。」とあった。心がけて
おこう・・
 
まだまだやることがある線香花火   前田霧人
 

サングラス


代々の気弱な生れサングラス


大股になるよ 世をくらく見る 優しさがこぼれ落ちぬよう
はづして我にかへり はづしいつもの夫 世間を遠ざけぬ
熟年といふ淋しさに 自己顕示否隠匿 墓前に来て外す
悪になりきれず 善女で通しけり 白黒つけたがる
俳句で詠まれた「サングラスの人」、様々です・・
 
サングラスはずしてからの国訛   長谷川栄子
 

夏休


ナシゴレン明日で終る夏休

「旅終へてよりB面の夏休」この句は人気女性俳人が詠んだ
もの。「頭でつくった句の典型。下手な句ではないが、この
程度の発見で満足してもらっては困る。この国の詩歌が困って
しまう。いかにも、イマジネーションがひ弱いのだ。」
「女だっていうことにそんなに甘えちゃいけない気がする。
おじさんたちの純情にそんなにつけこんじゃあいけないような
気がする」この句へのキツイ批評である。なるほどとは思う
ものの、プロ同士は遠慮がない・・
 
家に居る標札のわれ夏休    三橋敏雄