一句佳日 

一日一句、シンプルに「俳句」を鑑賞して頂くだけのブログです。
その日の自作の一句と、「お気に入りの句」を併載しています。

写真は一部以外、Webから拝借しています。

涼し


風呂敷の自在なかたち涼しかり

夏の暑さに思いがけず覚える涼しさは格別である。流水や木陰、
雨や風を身に受けて安堵する。朝、夕、晩、夜、宵に涼を添え
季語をなす。と歳時記にあり、「涼し」を具体的な物やことで
詠むわけだが、体感の表現にとどまらず、音感や視覚で感受、
感覚でつかまえて句にしたものも多くある。
 
箸置きに涼しく箸の横たはる  中村正幸 


かき氷


 いもうとのちひさきくちのかき氷
   
揚句を漢字の表記にすると、「妹の小さき口のかき氷」。
漢字は一読して意味がストレートに伝わるが、ひらがな
書きのやわらかさ、やさしさは出ない。また漢字に置き
替えると、固くなりリズムもそこなわれてしまう。
ひらがなやカタカナは、もちろん句の内容にもよるが、
うまく使えば雰囲気のある句ができる。
 
ラブシーンでハッピーエンドソーダ水 中村苑子


夏帽子


退屈に無縁の暮しパナマ帽

季語は「夏帽子」の傍題「パナマ帽」、パナマ草の若葉を編んで
作った物だそうだが、古い写真や映画などではおなじみであるが、
今はあまり見かけない。いまだ愛用しているのは、相当な洒落者で
ダンディな人だ。「かんかん帽」や野球帽みたいなキャップとは、
帽子の格が違う。かぶるシチュエーションもあるが、愉快に生活
している余裕が見えてくるようだ。
 
行く先は銀座ガス燈パナマ帽       徳重千恵子
 

サングラス


代々の気弱な生れサングラス
     
紫外線対策が必要な季節になった。紫外線対策に使われるものを
「季語」で拾うと、サングラスや夏帽子、日傘、砂日傘、日焼け
防止に夏手袋などがある。
サングラスは、最近はファッション性が高くなり、いろいろな形や
色のものが売られているが、歳はとりたくないもの、私は網膜剥離、
緑内障と診られ、その対策用にサングラスを勧められている。
 
サングラス己れは人を欺けり   中出智恵子
 

団扇風


熱の子にしづかに送る団扇風

「病気の幼子への慈愛に満ちた句です。作者自身が「団扇風」を
送っているのでしょうか。第三者として見ているのでしょうか。
「熱の子へ」でも好いかも知れません。「・・に」でも措辞として
合致しているのですが、動作の方向性や何かが動いている最中の
時は「・・へ」も効果があります。」  
孫を対象に詠んだ揚句へいただいた句評である。
 
それとなく扇いでくれている団扇   田中不鳴