一句佳日 

一日一句、シンプルに「俳句」を鑑賞して頂くだけのブログです。
その日の自作の一句と、「お気に入りの句」を併載しています。

写真は一部以外、Webから拝借しています。

人事句


「人事句」というもの 
俳句は自然を詠むだけのものではない。俳人は人間社会の隅々まで俳句の
対象を広げてきた。現在作られる俳句は自然詠より、むしろ人間の営みを
詠んだ句のほうが多いかもしれない。そうした句を「人事句」と呼ぶ。
小説や詩は、人間を対象に材料とすることが当然のことの文学であるが、
俳句は、風景句や写生句という領域がはっきりと存在をするため、それに
対するものとして「人間に関する事柄」人事句という領域が生れた。

人事句は大きく二つに分けて、「人間探求派型」「花鳥諷詠型」がある。
人間探求派型は言葉からイメージは湧くが、花鳥諷詠型の人事句とは概念
矛盾のように思われる。そのことは高浜虚子の、花鳥諷詠の「花鳥」には
「自然界の現象」とともに「人間界の現象」を含み、人間も、花鳥風月と
等しく諷詠の対象という俳句観が基になっている。

少し具体的にいうと花鳥諷詠は季語を主題として俳句を詠むものであったが、
花鳥諷詠型の人事句は、人事を表す季語を主題として詠む俳句なのである。
季語を季題と呼ぶのもそれ故である。
したがって、人間の営む世界を広く表現するために必要な、数多くの季語が
生れ「俳句歳時記」に記録、掲載されている。

梅干す 暑気払ひ 夜濯 寝冷 胡瓜もみ 夕涼み などなど

私たちは自然詠、人事句だと特別な意識をすることはないが、こういうことを
知っていれば、季語の見方、使い方も少しは変わってくるかもしれない。
そして季語の力で人の営みをいきいきと描きだすことができるかもしれない。


遺されし母のノートや梅を干す     taizou
                    
                    参考:俳句上達のための18か条


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